やる気が全く出ない・体がだるい・頭が働かない!?重度の自律神経失調症になったらどうする?
こんにちは、季節の変わり目で一日の気温差が激しくなってきましたね。
冬の寒さで徐々に疲労は蓄積して、休む間もなく急に季節は変わり、おまけに花粉まで飛び交う。花粉症だと余計に神経を消耗してしまうことでしょう。
自律神経にとってこれほどつらい季節はありません。
今回は、自律神経失調症が悪化してしまった場合の対処法についてご紹介します。
倦怠感・1日中の眠気・意欲消失・異常な疲れやすさ等、諸症状の正体とは?
ーそれは精神疲労。アデノシンがドーパミン分泌をブロックしていた!
異常な倦怠感や1日中の眠気(目がしぱしぱするといったものも含む)、急な意欲の喪失、異常な疲れやすさといった症状の多くは主に精神疲労が原因とされています。
詳しく説明すると、頭を使うことで脳内でブドウ糖が燃焼されます。
その過程で発生するのが「アデノシン」という物質です。
アデノシンは次の2つの働きを持っています。
- 眠気を誘発する作用
- ドーパミン分泌をブロックする作用
ドーパミンは人の行動力・意欲に必要不可欠なホルモンで、これがブロックされてしまうことで異常な倦怠感や意欲の喪失、疲れといった症状が出てしまいます。
ー症状はすべて脳からのSOS?それ以上無理すると危険?!
とはいえ、アデノシンの存在自体は決して悪者ではありません。
人間の脳も体も、機械と同じで使い続ければオーバーヒートしてしまいます。
そのため、アデノシンのおかげでオーバーヒートしてしまう前に眠くなり、適切に休息をとることが、本来は可能なのです。
しかし、過酷な労働環境に身を置く、優秀で真面目で我慢強い人ほど、リミッターを解除して自身の疲労センサーの感度を鈍くして、もしくは無視して働き続けることが出来てしまうのです。
その結果として、気づいた時には脳内アデノシンだらけとなり、急に動けなくなったように感じたり、様々な精神疾患につながるということです。
重度の自律神経失調症、治療法は?
ー自律神経失調症を完治させる薬は無い?!
自律神経失調症は、人それぞれ原因が異なります。
そのうえ、原因も一つではなく、生活習慣、仕事や人間関係のストレス、年齢、気候、考え方のクセ、等々さまざまな要因が複雑に絡み合っていることが多いのです。
そのため、薬で根本的に治療していくことはできません。
(もちろん、特定の症状を和らげたりして、ラクにする対処には有効的ではあります)
薬で特定のわかりやすい症状を抑え込んだとしても、原因の中に本人の考え方のクセが含まれる場合、それを変えていく試みをしなければそのうち再発してしまう可能性があります。生活習慣が原因なら、それを変えなければいけないですし、気質と体質が原因であれば、うまく生きていく術を身につける必要があります。
なので長期的に見れば、「自分が抱えている問題を一つ一つ洗い出し、細かく分析してそれらを改善していく」ことが本質的な治療法(再発予防法)と言えます。医師やカウンセラーの力を借りることも必要となってくることもあるでしょう。
悪化しすぎてもはや行動する気力すら無い場合は、そんな長期的なことまで考える余裕はありません。
そんな時は、まずはマトモに動けるようになるためにも、十分な休養をとるしか方法はありません。
ーとにかく休め、休め‼‼ 取り返しがつかなくなる前に。
自分の感覚で「これは異常だ」と感じるほどの症状が出ているのであれば、それは脳からの必死のSOSです!
周りの目とかも当然気になるでしょうけど、気にしすぎて最後まで自分に鞭打って色んな精神疾患を患ってしまっては手遅れです。すぐに休んでください!そのためにも、病院を受診することをお勧めします。
ー仕事を休むことに対する後ろめたさも、治りを遅くする原因に。
休めといっても、真面目で繊細なあなたは
「会社に申し訳ないな…」
「自分だけ休んでしまっていいのだろうか」
という罪悪感であったり、
「自分はこんなに辛いけど、周りからは甘えと見えるんじゃないか」
「自分の体、実は大して悪くなくて、ただ自分が甘えているだけなんじゃないか」
という自責の念を持つことで、休むことに後ろめたさを感じてしまうのではないでしょうか?
この後ろめたさというのは、ふとした時に繰り返し脳裏をよぎっては考え続けてしまう「反芻思考(※)」として、あなたの思考回路に現れてくることが多いです。
反芻思考は、その思考が表れていない時でも、まるでバックグラウンド起動のアプリのごとく常に脳のバッテリーを消費し続ける、厄介者です。
これがあると、脳の精神疲労は更に悪化する一方ですので、極力排除したいものです。
なので、まず第一前提として、
病院を受診し、診断書をもらい、提出すること。
ただ提出するだけではなく、
「自分は休みたくて休むわけではないけれど、医師から休めと言われているから、仕方なく休むしかないんだ。決して甘えではないんだ。」
という認識を持つことが大事です。
スポーツ選手でドクターストップを無視して競技参加を続けてその先の人生を棒に振るような人、いないですよね?
肘を故障した、白血病に罹った、ガンになった。なのでしばらく休みます!それのどこが甘えですか?
大丈夫。あなたと同じような症状で休養を取っている人なんて、世界にたくさんいるんだから。
※「反芻思考」の抑え方についてはこちらで紹介しています。
ーちょっと良くなった気がする、これが最大の落とし穴!
一度リミッターを解除して、限界を超えて働き続けた結果として体調を崩してしまった人は、基本的に自身の疲労センサーの感度が悪くなっています。
そのため、医師から1か月間の休養宣告されている中でも、
「なんか意外と早く、よくなってきた気がするな」
と感じてしまうことがあります。
ですが、思い出してください。あなたは今、自分の疲労をちゃんと感知できていないことを。
そういう時に、急に活動量を増やすとすぐに脳が疲れます。それでも無理して動き続けると、また脳内にアデノシンが蓄積され、リバウンドしてしまうことでしょう。(これを繰り返すと、次第にコンディションの昇降が激しくかつ慢性的になり、「双極性障害(躁うつ病)」になってしまうかもしれません)
今、あなたにとっての「無理をする」は、普通の人にとっての「死ぬほど無理をする」と同じレベルの負担があることを肝に銘じて、十分な休養をとってください。
まとめ
意欲喪失や倦怠感、一日中の眠気といった諸症状が、アデノシンが脳内で蓄積されすぎているのが原因。決して本人の気の持ちようや甘えではなく、科学的根拠のあるれっきとした「症状」です。
悪化してしまったものは仕方ないですから、自分を責めずにまずはしっかりと、堂々と休養をとって、また元気に過ごせる日々を一緒に取り戻していきましょう。
以上、自律神経失調症が悪化してしまった場合の対処法についてのご紹介でした。