精神疲労=脳の疲労は生産性を下げ精神疾患の危険も!脳を疲れさせる「アデノシン」を抑える方法
こんにちは。突然ですが、皆さんは「精神疲労」という言葉をご存じですか?
デスクワークなど頭を使う作業をした際に蓄積される脳の疲労のことを精神疲労と呼ぶのですが、近年の研究でこの疲労が私たちの生産性や行動力、運動能力にまで影響を及ぼすことがわかっています。
今回は、放っておくと危険な「精神疲労」について、その実態と対処法をご紹介いたします。
今の時代、知らないと人生損! 精神疲労の実態と私たちが認識すべき事実
ー精神疲労の正体はアデノシン?!そのメカニズムは?
精神疲労とは、仕事や悩みごとなどで頭を使う行為によって引き起こされる脳の疲労のことです。
頭を使う時、脳内ではブドウ糖を消費しエネルギーを生産します。その過程で副産物として生じる物質が「アデノシン」。
アデノシンは脳内でドーパミンとヒスタミンをブロックする働きがあることがわかっています。
ドーパミンは行動力・意欲に関わるホルモンで、ヒスタミンは覚醒に関わるホルモン。
その結果として、頭を使い脳が疲れると眠気・集中力減退・やる気減退といった症状が現れます。
ー対策しないと集中力・生産性が激減!?軽視されがちな精神疲労、そのヤバさ
90分間頭を使う作業をした際の疲労感は、高さ35㎝のボックスジャンプ100回分に相当することがわかっています。
イギリスのウェールズ大学の研究において、サイクリストを対象とした実験があります。
- 90分間、頭を使う作業をしたグループ
- 90分間、自然のドキュメンタリーを視聴したグループ
これらのグループに分け、その後エアロバイクを漕いでもらったところ、前者は後者よりも15%も早くギブアップしたそうです。
この結果から、体力自慢のアスリートでさえ、精神疲労には抗うことができないことがわかりますね。
精神疲労に対策をせず放っておくと、
- 体の運動性能が悪くなる
- 意欲・行動力が落ちる
- 集中力が落ちる
このような状態に陥ります。
(更に疲労を蓄積させると各種精神疾患の門をたたくことになりかねません)
なので、特に事務仕事といったデスクワークなど、頭を使う仕事をしている方は、しっかりと精神疲労対策を行い、意識的に脳の疲労を溜めない行動を心掛ける必要があります。
今日から実践できる!精神疲労物質「アデノシン」を簡単に抑える方法4選
私たちの行動力や生産性にとって大きな脅威となるアデノシンですが、意識的にこのアデノシンの増加を一時的にストップさせられる方法があります。
それでは実際にアデノシンをコントロールして、精神疲労を蓄積させない簡単な方法を学んでいきましょう!
ー①5~10分間、自然の中を歩く
イチバン誰でも簡単に効果が得られる方法が、自然の中を5~10分間歩くことです。
都心にお住まいの方、都心のオフィス勤務の方はなかなか大規模な自然が身近にないでしょうから、公園もしくは並木通りのような場所でも構いません。
大事なのは、自然を意識することです。
緑豊かな植物に目を向け、風を肌で感じ、自然の要素を意識的に味わうこと。こうすることで、自然界に存在する「1/f ゆらぎ(えふぶんのいちゆらぎ)」のリラックス効果の恩恵を受けることができます。
※それすら難しい場合は、室内やデスクに観葉植物を置いて、ふとした時に眺めてあげる方法もオススメです。自然を歩くことほどの効果は得られませんが、それでもリラックス効果は十分期待できます。
ー②瞑想をする
瞑想をすることで、頭の中をめぐる思考を一旦ストップさせ、脳を休ませる手段です。こちらもアデノシンを一時的に抑える効果があります。
瞑想には様々なやり方がありますので、どのようなやり方でも構いません。あなたの好きな瞑想を実践しましょう。
瞑想には、脳を休ませリラックスする効果をはじめ、日ごろから継続することで、集中力・ストレス耐性などあらゆる能力を根本から底上げする効果が科学的に証明されているので、毎日の習慣として取り入れることをオススメします。
ちなみに私のオススメは、最もシンプルな瞑想である呼吸瞑想です。これを最低でも90分作業したら1回10分は実施しましょう。もちろん、よりインターバルを短くしてもかまいません。ご自分でいろいろ試してみて、一番しっくりくるインターバルを見つけておくといいでしょう。
ー③HIITや坂道ダッシュなど、高負荷運動をする
こちらは意外な方法です。
ジョギング程度の軽い運動ではなく、HIITや坂道ダッシュといった短期的な激しい運動をすることでも、アデノシンをコントロールすることができます。
精神疲労がその後の肉体運動にも影響を及ぼす反面、息が上がるほどの短期的な激しい運動を行うことが精神疲労に効果があるという、矛盾しているかのように見えますが、これも理屈は瞑想と同じです。
ジョギング程度の軽い運動なら、何か考え事をしながらでもできてしまいますよね?その場合、脳疲労を軽減する効果は得られません。
しかし、皆さんは過去に100メートル走の最中に、「今日の給食なんだっけ?次の授業なんだっけ?」といったことを考えていましたか?
おそらく、何も考えず、むしろ考える余裕もなくひたすら走っていたかと思います。
激しい運動を行うことで、必然的に頭を使う余裕をなくし、思考をストップさせて脳を休ませるということです。
色々な悩み事や心配事がある時期は、瞑想に集中するのも難しいことってありますよね。
それらは時間をかけて見える化し、解決していかなければなりませんが、今だけでも思考を断ち切り頭をスッキリさせたい場合には、この方法が一番おすすめです。
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ー④コーヒーブレイクをとる
コーヒーに含まれている「カフェイン」には、アデノシンの作用を抑える働きがあります。
コーヒーやエナジードリンクで眠気を覚ます方法がありますが、これはカフェインを摂取することで、アデノシンの「ヒスタミンの放出を抑える」作用をブロックし、ヒスタミンによる覚醒作用を促す、という理屈です。
しかし、コーヒーを飲んでからカフェインの効果が得られるまでに時間がかかるため、
「コーヒーを飲んで20分前後の昼寝をしてから作業を再開する」
というやり方がおすすめです。
これなら、昼寝による脳疲労の回復効果と、その後のカフェインによるアデノシン抑制効果を一石二鳥で得られます。
※コーヒーアレルギー・カフェイン過敏症の可能性がある場合、体調を崩す恐れがあるためお勧めできません。私もその一人ですが、酷い時は感情コントロール力すら失います。
まとめ
いかがだったでしょうか。
一番大事なことは、くれぐれも無理をしないこと。もし、ご紹介した対策をやっても疲れが抜けた感じがしないと思ったら、それはとても疲れている証拠です。スマホを見ることもやめて思い切って寝ることも一つの手段です。
意識して精神疲労に負けない毎日を過ごして、周りに差をつけましょう!
以上、精神疲労の実態と対策についてのご紹介でした。